七夕の夜は・・・
ガヴァドンを思い出す。
ガヴァドンは、小学生の落書きが謎の宇宙放射線と太陽光線の作用によって実体化した怪獣だ。
形は魚に似ている。ハンペンに目玉が付いたような形だ。
ガヴァドンは何もしない。ただ、寝ている。
だけど「怪獣」というだけで科学特捜隊に攻撃される。そしてただ逃げまどう。
子供達はガヴァドンをもっと怪獣らしくさせようと、落書きをし直す。
そしてカッコイイニュー・ガヴァドンが現れる。
だけど、こいつもただ寝ているだけだ。ただイビキだけがヴァージョン・アップしてうるさい。
首都の機能はそのイビキのせいでマヒしてしまう。
そして、また攻撃される。
子供達は科特隊に叫ぶ。
「ガヴァドンを攻撃しないで!」
ウルトラマンが現れたが、子供達はウルトラマンにも叫ぶ。
「ガヴァドンを殺さないで!」
自分たちの夢を踏みにじるものはたとえそれが正義のヒーローであっても、彼らにとっては敵なのだ。
困ったウルトラマンはガヴァドンを殺しはしなかったが宇宙へ連れて行ってしまった。そしてガヴァドンは子供達の前から姿を消した。
その夜、河原で子供達はしょぼくれていた。
ウルトラマンが「毎年7月7日の夜に、この星空でガヴァドンに会えるようにしよう」と夜空から語りかけてきた。そこには星になったガヴァドンがいた。
ガヴァドンを描いた少年は言う。
「七夕の夜が雨だったらどうするんだよ・・・」
星になったガヴァドンの目の辺りから星が一筋流れ落ちた・・・。
ウルトラマンのこの約束ですら、子供達にとってはその場しのぎで大人が子供につくウソそのものにしか思えなかったのだ。
大人になったあの子たちは今も夜空を見上げているのだろうか?
それとももうガヴァドンのことなんか忘れてしまっているのだろうか?
今夜は、夜空を見上げてみよう。
ガヴァドンもきっと会いたがっているはずだ。
晴れるといいな。
| 固定リンク

コメント