今年は僕にとって思い入れの深いものの数々が○○周年を迎える年だ。
そのうちのひとつ(一人)が、今や「アニソン界の女王」として知らない人はいないであろう、ミッチこと堀江美都子のデビュー40周年だ。
ミッチのアニメ歌手としてのデビューは1969年「紅三四郎」の後期OPテーマによってだ(前期OPは流行歌手だった美樹克彦)。以来ミッチが唄ったアニソンは主題歌、挿入歌など1000曲を超えると言われる。僕は「紅三四郎」と2曲目の「アクビ娘」ともにレコードを買ってもらっていて、ちっちゃいころからそれとは意識せずミッチの歌を聴いていたわけだ。そういうこともあってか、ミッチの曲で僕が一番好きなのが「アクビ娘」であり、次が「紅三四郎」である。
僕が「堀江美都子」という名前をちゃんと意識するようになったのは、アニメに興味を持ち始めた中学生の頃だ。アニメの興味は作画や演出家といった映像を作るスタッフへの興味とともに、声優やアニソンを唄う歌手への興味へと広がっていった。元々アニソンは大好きでFMなどで特集があると必ず録音していたのだが、歌っている人にちゃんと興味を持つようになったのはやはりアニメへの興味が高まってからのことだ。
そうした中、アニメ関連の雑誌などで必ず登場するアニメ歌手というのが何人かいて、それがささきいさおであり、水木一郎であり、大杉久美子であり、そして堀江美都子であった。中でもアイドル的ルックスのミッチに僕はことさら惹かれたのだ。ある日、何故そういう話になったかは憶えていないが、母が「堀江美都子って紅三四郎の歌、唄ってたんとちゃうか?」と僕に言った。僕は「え??ホンマに??」と驚いてレコードを取り出して見た。するとそこには母の言ったとおり「堀江美都子」の文字があった。そして僕はピンときた。「アクビ娘の歌」が同じ声だったはずだということに。これもレコードで確かめるとやはり思ったとおりだった。僕はうれしくてうれしくてたまらなかった。当時のミッチはキャンディ・キャンディが大ヒットし、ボルテスVのようなロボットものも唄うなどすでにその地位を確立していたが、あの紅三四郎の歌声とは僕の中で結びつかなかったのだ。しかし、なるほど言われてみれば声は幼いが、たしかにミッチの歌声に違いなかった。
幼いころから何度も何度も聞いてきた大好きなレコード。そしてその歌声の主が、今(つまり中学生の)興味を抱き始めてる歌手だったということに不思議な縁を感じないではいられなかった。中学生の僕は再び出会うべくしてミッチと出会った。そんな気がしてならなかったのだ。
それからはお小遣いをやりくりしてミッチのレコードを買いまくった。観たことのないアニメの主題歌もミッチの歌なら憶えたし、好きになった。深夜ラジオ「ミッチの独り言倶楽部」も毎晩聞いた。高校生になるとミッチのライブにもたびたび足を運んだりもしたし、サインをもらうためにあまり買いたくないレコードも買った。当時、すでにミッチには多くのファンがいてコンサートやライブも開催されていた。だけども、今ほどにはあきらかなファン向けイベントというのは少なく、遊園地などで子供向けに「堀江美都子ショー」みたいなのも多くちょっと肩身の狭い思いをしながら見たものだった。いつだったかサイン会のときにララベルのイラストをあげたこともあったはずだ。あんなのもらったって困るだろうに・・・。
もちろんファンクラブもあった。
僕は「サークル・ミッチ」という公認(だが、私設の)ファンクラブに入会していた。会員向けに写真集を作るなど、なかなかに充実したクラブだったと思う。
僕は会員の方々と直接交流を持つことはなく、どちらかというとミッチの情報が欲しいだけの理由で入会していたが、何事も長続きしない僕は、大学生になるころには会費を滞納するようになり自然退会のような形で「サークル・ミッチ」とは縁が切れた。
僕が主題歌としてミッチのアニソンを聞いたのは「愛してナイト」あたりが最後かも知れない。その頃からTVアニメ自体をあまり熱心には見なくなりつつあったせいもあるだろう。また、その頃はアニメの主題歌が「いかにもアニソン」といったものから、現在のようにJ-POP的なものに変わりつつあった頃でミッチや水木一郎、ささきいさおといったアニソン歌手が主題歌を歌うケースも以前ほどにはなくなっていた時期でもあった。だから「愛してナイト」以降のミッチの曲はほとんど知らない。そういう意味ではファン失格だろう。
だけども僕にとってのミッチは、僕が大好きだったアニメの主題歌を歌うミッチだ。オリジナル・アルバムを意欲的に出していたミッチも好きだったしそのアルバムも買ったけど、やはりミッチはアニソンでこそ最高に輝くのだと僕は思う。
40年という月日が嘘のように思えるほど変わらないその歌声は、僕の心を「堀江美都子」を知らなかった子供の頃に連れ戻してくれる。そして大人になった僕の心には深い安らぎを与えてくれるのだ。
ミッチ、デビュー40周年おめでとう。
あなたの歌声で育ち、今もその歌声に元気をもらっている「元・少年」がここにもいます。いつまでもその宝石のような奇跡の歌声を聞けることを願っています。

「紅三四郎」のジャケットとレコード中央部のアップ。
5歳の時、僕はミッチと出会っていた
ちなみにB面「夕陽の男」は、ミッチではなく「ハクション大魔王」や「みなしごハッチ」の主題歌を唄う嶋崎由里と、山尾百合子のデュエット曲。こちらも名曲である。
考えてみれば男の子向けのアニメでA、B面とも女性(少女)歌手が歌うって極めて異例かも?

「ハクション大魔王」のジャケット。紅三四郎とはA面とB面の歌手が入れ替わったことになる。

ミッチのコンサートパンフ。サインは直筆。「1980年7月31日」とある。実はどこで見たのか、よく憶えていない(それでもファンかよ!)

「サークル・ミッチ」発行の写真集。1000部限定の非売品。写真はモノクロのみだが、本当の貴重品!
最近のコメント